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患者さんから頂いた質問~その2~

診察に来られた患者さんとのやり取りの中で、ご質問を受けた内容について、書かせて頂きます。

 

Q. バルーン治療は他施設でも行っていると思いますが、何が違うのですか?

A. バルーン治療自体は国内においても新しい治療ということはなく、いくつかの施設が提供しています(同じく自費診療)。既存のバルーン治療の問題点と、このたび当院で導入したSpatz3調節性バルーンの利点は以下の通りです。

 

<既存のバルーン治療の問題点>

①バルーンの耐久性の点から、留置期間は最長6ヶ月である(すなわち、留置後6ヶ月で抜去する必要がある)。

②一度、バルーンの容量を決めてしまうと、その後は容量を調節する(増やしたり、減らしたりする)ことが出来ない(非調節性である)。

 

<Spatz3調節性バルーン治療の利点>

バルーンの容量を調節することが出来る

バルーン留置後、最初の数日間は、吐き気や腹部不快感が出現することがあります。その際には、点滴や吐き気止めの薬を投与するなどして対応しますが、それでも症状の緩和が得られない場合には、バルーンの容量を一時的に減らすことにより、症状の緩和をはかり、バルーンを抜去する(=治療を中止する)ことなく、治療が継続出来るようにします。また、留置後、一定期間が経過し、体重減少が滞った場合には、逆に、バルーン容量を増やすことで、さらなる減量効果が期待出来ます。

 

留置期間が12ヶ月である

現時点において、永久的に胃内に留置可能なバルーンシステムは存在しません。しかしながら、耐久性が向上したことによりSpatz3は最大12ヶ月間の留置が可能となっています(12ヶ月間留置する、ということについて、欧州CE マークの承認が得られています)。治療期間を長く取れることは、その分、より高い減量効果が期待出来る、という点でメリットがあります。

 

ちなみに、僕は経過中に一度、バルーン容量を調節(100ml追加)しました。調節もやはり内視鏡(胃カメラ)を用いて行うのですが、初回留置時とは異なり、吐き気などは生じず、麻酔が覚め次第、その日に帰宅することが出来ました。

患者さんから頂いた質問~その1~

火曜日のテレビ放映以来、すでに多くの患者さんから診察予約を頂いています(これから予約をとろうとされる方はかなり先になるかも分かりません。ご迷惑をおかけし、申し訳ありません)。昨日、早速診察に来られた患者さんとのやり取りの中で、ご質問を受けた内容について、書かせて頂きます。

Q. BMI 35以上の高度肥満ですが、バルーン治療は受けられますか?

A. 肥満度にかかわらず、バルーン治療を受けることは出来ます。しかしながら、当院HP(下記URL)に記載していますように、一般にバルーン治療を受けることで期待できる減量効果は10kg前後です(もちろん、個人差がとてもありますので、20kgあるいはそれ以上に減量される方もおられます)。

http://www.genryou-syujyutsu.com/service/ballon.html

 

体重が70-80kgの方にとっての10kgは医学的に(も見た目にも)非常に大きなインパクトがありますが、例えば体重120kgの方にとっての10kgであったとしたら、肥満に伴う健康障害を十分に改善するためには不十分でしょう。こうしたことから、最もバルーン治療で恩恵が得られる(と予想される)患者さんは、BMIが30前半位まで(理想的には27-32程度)と考えています。BMIが35を超える(=高度肥満)場合は、総合的に考えると外科手術がやはり望ましいように思います。外科手術はこれまで自費診療でしたが、術式によっては(当院においても)保険診療で受けられます(厚生労働省により適応基準が定められています)ので、こちらもあわせてご相談頂ければ、と思います(もちろん、バルーン以外は考えていない、という方もおられるでしょうし、患者さんのご意見は最大限、尊重しますのでご安心を!)。保険診療に関しては以下URLをご参照下さい。

http://www.genryou-syujyutsu.com/news/notice.html

まとめサイト

先ほど、当院のバルーン治療に関して、とても大切なことをまとめて下さっているアメブロのサイトを見つけましたので、紹介させて頂きます(ありがとうございます)。

 

URLは下記です。

http://ameblo.jp/diet-witch-aki/entry-12261061880.html

 

ブログの最後の方で、投稿者の方が、

「治療を受ける本人に生活習慣を改善する気がなければ

いくらバルーンで胃を膨らませたとしても

結局また飲み食いしてゴロゴロして太ってしまうと思います」

と書かれています。

 

これは非常に重要な視点で、肥満症治療には、“~をしさえすれば”、 “~を飲みさえすれば”、何らの努力をしなくても、“魔法にかかったように”体重が減っていく、ということはありません。バルーン治療は、より少量の食事で、より早期に満腹感が感じられやすくなる、という点において、患者さんが体重を落としやすいように“背中を押して”くれはしますが、優れた成果をあげるためには、適切な食事(食事内容や摂り方)や運動習慣の獲得がとても大切です。

 

医学の世界では、肥満症治療を適切に行うためにはチーム医療が重要である、と言われるのですが、このことは一人のカリスマ医師が見事な手さばきで外科手術を行ったり、あるいは今回の場合であれば、患者さんの胃内にあざやかに風船を入れれば(笑)、全ての問題が解決する、ということはないのです。既にブログにupしている、僕自身の経過をご参照頂ければ、と思いますが、僕も当院の管理栄養士や運動トレーナー(実際、彼女達は百戦錬磨で非常に優秀です)のアドバイスを受けながら、これまでやってきました。

重要ポイントですので繰り返しますが、バルーン治療を含む肥満症治療は、チーム医療、すなわち医師だけでなく、栄養士や看護師、運動トレーナーなど、患者さんが体重を減らし、健康を取り戻すことが出来るようにサポートしてくれる環境があってのものだと考えています。

テレビ放映が終わりました(専門外来SP)

昨晩放映の、予約殺到!スゴ腕の専門外来SP (MBS)で、当院の調節性内視鏡下胃内バルーン留置術をとり上げて頂きました。

番組ホームページは、

http://www.mbs.jp/gairai8.shtml

 

このブログをご覧になっている方には放送をご覧になられた方も多いのではないかと思いますが、見逃された方は、YouTubeで視聴することが出来るようですので、下記リンクからアクセスしてみて下さい。

(当院のパートは19分過ぎからです。)

術後1年目~血液検査、体重測定~

早いもので、バルーン治療を受けてから約1年が経過しました。前回の体験記は術後1ヶ月目でしたが、その後、現在に至るまで問題なく、順調に経過しました。

 

体重:73.5kg(術前:80.4kg)

BMI:24.5(術前:27.0)

体脂肪率:23.2%(術前:28.5%)

首囲:37.5cm(術前:40㎝)

胴囲:86cm(術前:100㎝)

尻囲:94.5cm(術前:105㎝)

 

血液検査所見:肝機能、脂質異常(中性脂肪)は引き続き、正常範囲内

 

インボディ(身体組成)検査:体脂肪率が低下し、筋肉量が増加している

インボディ(術後1y、ブログ用画像)

 

腹部CT検査:

脂肪肝は著明に改善している

内臓脂肪面積 82cm2(術前:157cm2

術後1yCT(ブログ用画像)

(注)術前CTで認められた高度の脂肪肝は著明に改善しています(肝臓(黄色矢印)の色調が正常に近づいている)。胃内にはバルーン(だいだい色の点線部分)が認められます。内臓脂肪面積は82cm2で術前の約半分に減少しています。

 

 

術後1年で腹回りも随分、ほっそりしました。

関、術後1年目photo

 

術前、デブ写真、サーフィン

バルーン治療前はコレ(↑)でしたので、本当に変わりました!

 

僕にとっては、バルーン治療を受ける最大の目的であった脂肪肝が大幅に改善し、体重の約10%の減量をほぼ苦痛を伴うことなく(最初の数日間の嘔気は参りましたが、喉元過ぎれば何とか・・・で今となってはそんなこともあったなぁ、という感じです)達成することが出来たわけですから、治療を受けて本当に良かったなぁ、と思っています。今後、近いうちにバルーンを抜去しますが、抜去後にリバウンドしてしまわないように、この1年間で身につけた食事・運動習慣を続けていきたいと思っています。当院のHPを見て、あるいは、僕の治療体験記を読んで、バルーン治療を受けてみたい、あるいは、興味がある、という方がいらっしゃいましたら、どうぞ外来にお越し下さい。何と言っても経験者ですので、大抵のことは正しくお伝え出来ると思いますよ。