バルーン抜去後1年2ヶ月

胃内バルーン治療に限らず、あらゆるダイエット(減量)についてまわる問題は体重再増加(リバウンド)です。

僕の場合、1年間のバルーン留置を終えて、抜去してから約1年2ヶ月経過するのですが、体重は73kg前後をいったりきたり、という感じです。

抜去した時の体重が73.5kg、その後、71kg位まで落ちましたので、一番落ちた時からは約2kgリバウンドしたことになりますし、抜去した時の体重は維持していることになります。

患者さんからは抜去してからリバウンドしない様にするためにはどうすれば良いのでしょうか?というご質問をよく受けます。それに対しては、自分の経験を元に、以下の様にお答えしています。

①毎日体重を測る

現状を客観評価することは、とても大切です。多くの患者さんを外来で診ていますが、体重計から疎遠になる(=現実から目を背ける)ほど、体重再増加している患者さんが多い様に思います。僕は朝起きてトイレを済ませたらすぐに体重を測ることにしています(このタイミングが最も体重が落ちているので…少しでも低い方が気分が良いですから!)。前日に食べ過ぎてしまうと、見事に翌朝に反映されますし(涙)、それを目の当たりにすると、今日は控えめにしよう!という、自分なりのモチベーションになります。

②バルーンが入っていた時の生活スタイルを維持する

”体重を落とす”ということは、体に入ってくるエネルギー(IN)を消費されるエネルギー(OUT)よりも少なくするということですし、”体重を維持する”ということは、両者(INとOUT)を同じにする、ということですので、前者より後者の方がまだ負荷は少ない、と言えます。

世の中には数多のダイエットの方法論がありますが、僕が思うに、胃内バルーン治療の良いところは、”体に与える負担が少ない”ことだと思っています。「逆でしょ?」と思う方もおられると思うのですが、確かにバルーン留置直後は、かなり強い吐き気が出ます(そのことは間違いなく”負担”です)が、数日経過すると何事もなかったかの様に吐き気は消失します。出川さんのテレビでスタジオに出演されていたAPさんは、確か留置後5日目でしたが、意外にケロッとされていた様に思われませんでしたか?彼の経過はバルーン治療の典型的な術後経過だと思います。

吐き気がなくなった後は、(個人差はあるものの)胃の中に何かが入っている(痛いなどではなく…まあ、実際に入っているのですが(笑))、空腹感をそれほど感じない、少量の食事でお腹が張ってくる、といった感覚になります。そしてこうした感覚は、僕自身の経験からは、苦痛と感じられるものではありませんでした。

バルーンが入っている間は、食事量を(留置前と比較して)少なくキープするのは比較的容易(この部分にも個人差はやはりありますが…)なのですが、その生活スタイルを1年も続けるわけですので、有り体に言えば、”胃が小さくなった”ということになるのかも分かりませんが、それを自分にとっての”日常”にしてしまえればしめたものです。

僕の場合は、朝食はプロテインシェイク、昼はサラダと鶏むね肉(要するにコンビニのサラダチキン)、夜は白米は食べ過ぎない様に気をつけていますが、あまり気にせず食べています。あとは、駅などでは出来るだけエスカレーターを使わない様にしているのと、実際、忙しくてなかなか行けませんが、時々、ジムで筋トレをしています。この程度ですと、体重を減らすことはなかなか叶いませんが(代謝も落ちてきた様に思いますし(苦笑))、リバウンドしない様に体重を維持する、ということに関しては、大きな苦痛や我慢を伴うことなく出来ています。長々と書いてしまいました(夜中はどうしても長くなりますね(苦笑))が、少しでも参考になれば、と思います。

テレビ放映が終わりました(出川哲郎の病院の歩き方)

本当に久しぶりの投稿になります(さぼってしまい、すみませんでした)。

8月3日(金)19時~21時55分に、フジテレビで放送されました、金曜プレミアム「出川哲郎の病院の歩き方」に、当院(四谷メディカルキューブ 減量・糖尿病外科センター)で、外科手術(減量手術)に加えて行っている、内視鏡下調節性胃内バルーン留置術をとりあげて頂きました。

放送をご覧になって、それでこのブログを訪れて下さっている方もいらっしゃるのではないかと思います(ありがとうございます)。

みなさま、どのような感想をお持ちになられたでしょうか?

・肥満症治療にここまでする必要ある?

・自費診療だし高いよ~

・吐き気が強いと言っていたけど、大丈夫?

・全身麻酔でする必要があるの?

・番組に出ていた医者(=私です)が脚を組んで座っていて、感じが悪かった(これについては、放送を見た知り合いから、後にそう指摘を受け、とても驚きました。決して、上から目線だったわけでも、ふんぞり返っていたわけでもなかったのですが。不快な気持ちになられた方がおられましたら、お詫び申し上げます。すみませんでした。)

・リスクについて、もっと詳しく聞きたい

などなど。

当院では、治療を検討されている方を対象に患者説明会(セミナー)を定期的に開催しています(無料です)。テレビの限られた時間の中では、なかなか必要な知識を全て網羅する、ということは難しいですので、もし、話だけでも直接、聞いてみたい、という方がおられましたら、是非、ご検討下さい。

(詳しくは、当院HP、”減量手術.com”、をご参照下さい。)

テレビ出演予告~8月14日(月)~

TBSのサイエンス番組『生命38億年スペシャル 人間とは何だ…!?』に肥満症治療の専門家として出演します。

8月14日(月)、20:00-です。

番組紹介HPはコチラ(↓)

http://www.tbs.co.jp/hot-jyouhou/201707191113.html

肥満症に対する外科手術とバルーン治療について解説します。

お時間のある方は、是非、見てみて下さい。

TBSテレビ出演

バルーン抜去後1ヶ月半

バルーンを抜去してから約1.5ヶ月が経過しました。

抜いた後、リバウンド(体重再増加)しないのですか?というのは、患者さんに多く聞かれる質問です。

 

結論から書きますと、僕の場合はリバウンドせずにこれまで経過しています。

今朝測った体重は71.45kgでした。留置後1年検診時の体重が73.5kgでしたので、少しですがさらに減量したことになります。

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ただし、それなりに気をつけて生活しています。生活上、僕が気をつけている点について書いてみます。

 

①毎日体重を測る

これは減量手術をお受けになられる患者さんに対しても、僕らがいつも外来診療の場でお話していることです。実際、術後にリバウンドされる患者さん(決して多くはありませんが…)には体重計にしばらく乗っていない、という方が多いように思います。僕は毎朝、起きたらすぐに体重計に乗ることに決めています。それで前日よりも増えていれば、今日はちょっと食事に気をつけて過ごそう、という風に考えるようにしています。

 

②食事スタイルを変えない

必ずしもそう出来ない場合もありますが、バルーンが入っていた時と今とで食事スタイルを変えないようにしています。

具体的には、朝はプロテインシェイク、昼はサラダ+チキン、夜はあまり制限しない(家族や友人、同僚とのコミュニケーションの機会でもありますので)、ただし、白米は食べ過ぎないように気をつけています。

バルーンが入っている1年間、ほぼこのような食事スタイルでしたので、体(胃?)が慣れてしまっているのでしょうか?強い空腹感や苦痛を感じることは、少なくとも今のところはありません。

朝は減量用プロテインシェイクから始まります。

朝は減量用プロテインシェイクから始まります。

 

③運動習慣

実はジムにはあまり行けていません(週に1回、行けるかどうか…武澤トレーナーに叱られますね)。ささやかな努力としては、通勤など移動時に出来るだけエスカレーターを使わないようにしています。あと、毎日とはなかなかいきませんが、ブレスレットタイプの万歩計(最近はスマホと簡単に同期させることが出来ます)を携帯して、1日10000歩を目標に歩くようにしています。

fitness center escalator

 

体重を維持するための工夫は十人十色と思います。実際、当院でバルーン治療をお受けになられた患者さんも、様々な工夫をされています。良い成果をあげておられる患者さんの工夫も今後、このブログで紹介していければ、と思います。

バルーン抜去

約1年間、おなかに入っていたバルーンを抜去する日がついにやってきました。

 

実際に経験した人でないとなかなか分からないと思いますが、夜、横になると、ちょうど胃の部分(=みぞおちのあたり)で、バルーンが入っているところがこんもりと膨らんで、体表から触ると分かるのです。入れてすぐの時には分かりませんでしたので、この1年間で随分、おなかがすっきりしたということなのでしょうね。胃は大きな袋ですので、その中に入っているバルーンは姿勢や胃の蠕動運動などの影響で多少、場所が動くのですが、バルーンによる膨らみに手を置いていると、“あ、今、動いた!”って、分かるんです。僕は男性ですので、経験しようがないのですが、おなかに赤ちゃんがいるのはこんな感じかなぁ、とか思ったりしました(笑)。

 

バルーン抜去は手術室で行いました。静脈麻酔下に、まずバルーン内の生理食塩水(僕の場合、500ml入っていました)を全て抜き、バルーンをぺしゃんこにしてから、スネアという内視鏡用鉗子を使ってバルーンをつかみ、体外に摘出しました。入れた時同様、僕(=患者)的には“え、もう終わったんですか!?”、という感じでした。

 

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内視鏡用スネア鉗子

内視鏡用スネア鉗子

胃酸の作用なのでしょうか?1年少しの間、僕の胃内に入っていたバルーンはこんな色に変色していました。

胃酸の影響でしょうか?約1年間、僕の胃内に入っていたバルーンはこんな色に変色していました。

取り出されたバルーン...何か悲しげですね(笑)

取り出されたバルーン…何か悲しげですね(笑)

 

患者さんから頂いた質問~その2~

診察に来られた患者さんとのやり取りの中で、ご質問を受けた内容について、書かせて頂きます。

 

Q. バルーン治療は他施設でも行っていると思いますが、何が違うのですか?

A. バルーン治療自体は国内においても新しい治療ということはなく、いくつかの施設が提供しています(同じく自費診療)。既存のバルーン治療の問題点と、このたび当院で導入したSpatz3調節性バルーンの利点は以下の通りです。

 

<既存のバルーン治療の問題点>

①バルーンの耐久性の点から、留置期間は最長6ヶ月である(すなわち、留置後6ヶ月で抜去する必要がある)。

②一度、バルーンの容量を決めてしまうと、その後は容量を調節する(増やしたり、減らしたりする)ことが出来ない(非調節性である)。

 

<Spatz3調節性バルーン治療の利点>

バルーンの容量を調節することが出来る

バルーン留置後、最初の数日間は、吐き気や腹部不快感が出現することがあります。その際には、点滴や吐き気止めの薬を投与するなどして対応しますが、それでも症状の緩和が得られない場合には、バルーンの容量を一時的に減らすことにより、症状の緩和をはかり、バルーンを抜去する(=治療を中止する)ことなく、治療が継続出来るようにします。また、留置後、一定期間が経過し、体重減少が滞った場合には、逆に、バルーン容量を増やすことで、さらなる減量効果が期待出来ます。

 

留置期間が12ヶ月である

現時点において、永久的に胃内に留置可能なバルーンシステムは存在しません。しかしながら、耐久性が向上したことによりSpatz3は最大12ヶ月間の留置が可能となっています(12ヶ月間留置する、ということについて、欧州CE マークの承認が得られています)。治療期間を長く取れることは、その分、より高い減量効果が期待出来る、という点でメリットがあります。

 

ちなみに、僕は経過中に一度、バルーン容量を調節(100ml追加)しました。調節もやはり内視鏡(胃カメラ)を用いて行うのですが、初回留置時とは異なり、吐き気などは生じず、麻酔が覚め次第、その日に帰宅することが出来ました。

患者さんから頂いた質問~その1~

火曜日のテレビ放映以来、すでに多くの患者さんから診察予約を頂いています(これから予約をとろうとされる方はかなり先になるかも分かりません。ご迷惑をおかけし、申し訳ありません)。昨日、早速診察に来られた患者さんとのやり取りの中で、ご質問を受けた内容について、書かせて頂きます。

Q. BMI 35以上の高度肥満ですが、バルーン治療は受けられますか?

A. 肥満度にかかわらず、バルーン治療を受けることは出来ます。しかしながら、当院HP(下記URL)に記載していますように、一般にバルーン治療を受けることで期待できる減量効果は10kg前後です(もちろん、個人差がとてもありますので、20kgあるいはそれ以上に減量される方もおられます)。

http://www.genryou-syujyutsu.com/service/ballon.html

 

体重が70-80kgの方にとっての10kgは医学的に(も見た目にも)非常に大きなインパクトがありますが、例えば体重120kgの方にとっての10kgであったとしたら、肥満に伴う健康障害を十分に改善するためには不十分でしょう。こうしたことから、最もバルーン治療で恩恵が得られる(と予想される)患者さんは、BMIが30前半位まで(理想的には27-32程度)と考えています。BMIが35を超える(=高度肥満)場合は、総合的に考えると外科手術がやはり望ましいように思います。外科手術はこれまで自費診療でしたが、術式によっては(当院においても)保険診療で受けられます(厚生労働省により適応基準が定められています)ので、こちらもあわせてご相談頂ければ、と思います(もちろん、バルーン以外は考えていない、という方もおられるでしょうし、患者さんのご意見は最大限、尊重しますのでご安心を!)。保険診療に関しては以下URLをご参照下さい。

http://www.genryou-syujyutsu.com/news/notice.html

まとめサイト

先ほど、当院のバルーン治療に関して、とても大切なことをまとめて下さっているアメブロのサイトを見つけましたので、紹介させて頂きます(ありがとうございます)。

 

URLは下記です。

http://ameblo.jp/diet-witch-aki/entry-12261061880.html

 

ブログの最後の方で、投稿者の方が、

「治療を受ける本人に生活習慣を改善する気がなければ

いくらバルーンで胃を膨らませたとしても

結局また飲み食いしてゴロゴロして太ってしまうと思います」

と書かれています。

 

これは非常に重要な視点で、肥満症治療には、“~をしさえすれば”、 “~を飲みさえすれば”、何らの努力をしなくても、“魔法にかかったように”体重が減っていく、ということはありません。バルーン治療は、より少量の食事で、より早期に満腹感が感じられやすくなる、という点において、患者さんが体重を落としやすいように“背中を押して”くれはしますが、優れた成果をあげるためには、適切な食事(食事内容や摂り方)や運動習慣の獲得がとても大切です。

 

医学の世界では、肥満症治療を適切に行うためにはチーム医療が重要である、と言われるのですが、このことは一人のカリスマ医師が見事な手さばきで外科手術を行ったり、あるいは今回の場合であれば、患者さんの胃内にあざやかに風船を入れれば(笑)、全ての問題が解決する、ということはないのです。既にブログにupしている、僕自身の経過をご参照頂ければ、と思いますが、僕も当院の管理栄養士や運動トレーナー(実際、彼女達は百戦錬磨で非常に優秀です)のアドバイスを受けながら、これまでやってきました。

重要ポイントですので繰り返しますが、バルーン治療を含む肥満症治療は、チーム医療、すなわち医師だけでなく、栄養士や看護師、運動トレーナーなど、患者さんが体重を減らし、健康を取り戻すことが出来るようにサポートしてくれる環境があってのものだと考えています。

テレビ放映が終わりました(専門外来SP)

昨晩放映の、予約殺到!スゴ腕の専門外来SP (MBS)で、当院の調節性内視鏡下胃内バルーン留置術をとり上げて頂きました。

番組ホームページは、

http://www.mbs.jp/gairai8.shtml

 

このブログをご覧になっている方には放送をご覧になられた方も多いのではないかと思いますが、見逃された方は、YouTubeで視聴することが出来るようですので、下記リンクからアクセスしてみて下さい。

(当院のパートは19分過ぎからです。)

術後1年目~血液検査、体重測定~

早いもので、バルーン治療を受けてから約1年が経過しました。前回の体験記は術後1ヶ月目でしたが、その後、現在に至るまで問題なく、順調に経過しました。

 

体重:73.5kg(術前:80.4kg)

BMI:24.5(術前:27.0)

体脂肪率:23.2%(術前:28.5%)

首囲:37.5cm(術前:40㎝)

胴囲:86cm(術前:100㎝)

尻囲:94.5cm(術前:105㎝)

 

血液検査所見:肝機能、脂質異常(中性脂肪)は引き続き、正常範囲内

 

インボディ(身体組成)検査:体脂肪率が低下し、筋肉量が増加している

インボディ(術後1y、ブログ用画像)

 

腹部CT検査:

脂肪肝は著明に改善している

内臓脂肪面積 82cm2(術前:157cm2

術後1yCT(ブログ用画像)

(注)術前CTで認められた高度の脂肪肝は著明に改善しています(肝臓(黄色矢印)の色調が正常に近づいている)。胃内にはバルーン(だいだい色の点線部分)が認められます。内臓脂肪面積は82cm2で術前の約半分に減少しています。

 

 

術後1年で腹回りも随分、ほっそりしました。

関、術後1年目photo

 

術前、デブ写真、サーフィン

バルーン治療前はコレ(↑)でしたので、本当に変わりました!

 

僕にとっては、バルーン治療を受ける最大の目的であった脂肪肝が大幅に改善し、体重の約10%の減量をほぼ苦痛を伴うことなく(最初の数日間の嘔気は参りましたが、喉元過ぎれば何とか・・・で今となってはそんなこともあったなぁ、という感じです)達成することが出来たわけですから、治療を受けて本当に良かったなぁ、と思っています。今後、近いうちにバルーンを抜去しますが、抜去後にリバウンドしてしまわないように、この1年間で身につけた食事・運動習慣を続けていきたいと思っています。当院のHPを見て、あるいは、僕の治療体験記を読んで、バルーン治療を受けてみたい、あるいは、興味がある、という方がいらっしゃいましたら、どうぞ外来にお越し下さい。何と言っても経験者ですので、大抵のことは正しくお伝え出来ると思いますよ。